最近遊んだゲーム感想

サイバーパンク2077:Bad

PS4しか持ってない奴は遊ぶな

 このゲームを遊んでる人に感想を聞いたら「面白いよ。だけど・・・バグが多い」とか「UIが最悪」って言うだろう。確かに面白いといえば面白いのだが、遊んでるうちに「だけど」の部分が大きくなってくる。特にPS4版は絶句するくらい酷いグラフィックで(PS3並)、中盤以降景色を見るだけで気が滅入る。雑に遊んで楽しいという感じではないので、「最強のハッカーを目指す」とか「クールな日本刀アサシンになりきる」とか自分なりの目標を設定してプレイする必要があるのだが、システム・UIが煩雑すぎて理解しきれず、色々試行錯誤する楽しみも感じない。(メニュー画面がカーソル式のゲームに遭遇したのは続・御神楽少女探偵団以来)クラッシュも超多い上にに復帰するたびに操作設定が全てリセットされている。ウリだったNPCやマップの作りこみもダメという訳ではないが全体的になんか雑。適当に駐車するといつのまにか東名高速みたいな大渋滞ができてるし・・・個人的には事前に予告されてた着せ替え要素が丸っとオミットされてたのも悲しかった。

 文句ばかり書いたが数年に1度レベルの大作だし、PS4以外のグラフィックは本当に素晴らしくて没入感が凄い。ストーリーは結構渋めで通好み・アダルトな雰囲気で気に入っている。

 本作はアディダスとのコラボスニーカーやtriggerによるアニメ化決定など、発売前から大規模な宣伝・メディアミックス攻勢をかけていた。CD projectは本作をただのゲームではなくクールでヒップなコンテンツとして売り出したかったんだろうが、現状高性能PCを持つゲーマーだけまともに遊べるブルジョワゲームになってしまっている。企業の支配に逆らうという作品のテーマもちょっとむなしく感じられる。

 

ワンダと巨像:Bad

最後の一撃以外ひたすら苦痛

 世間的には大傑作扱いなのだろうが、絶望的に合わなかった。とにかく操作が独特すぎて移動が面倒でしかない。乗ってる馬は小石も越えてくれないので、いちいち迂回する必要があるし。そいでひーこら言いながら草原を走っていると、カメラがグーっとローアングルに移動していかにも馬の躍動感と綺麗な景色、見せまっせ~という構図でプレイすることを強制される。綺麗な風景なんだから視点をグルグル動かして自由に見せてくれればいいのに、常に製作者の意図するアングルを強制されるのが戦闘中本当にストレスだった。視点ロックとかもまるで機能していないし。そんな事するんだったらゲームじゃなくてイラストか映画でいいじゃん。

巨像に登って戦うとかいったコンセプトは良いと思うが、なんか企画書がむき出しのまま皿に乗ってるような作品だった。プレイ中、ゲームにまったく興味のない母親が「これは何なの?」と聞いてきたのでビジュアル面の力はものすごいと思う。

 

スルー ザ ダーケスト オブ タイムズ:Bad

ゲームじゃなくて教材

 「教育ゲーム」というジャンルがあると思う。This War of Mineとか。プレイを通して社会的テーマを考えさせる・感じさせるためのゲームというか。このスルーザダーケストオブタイムズもナチ時代のレジスタンス活動がテーマのシュミレーションゲームで、常に金欠だし仲間は不満ばかり言うし憲兵はそこら中にいるし、難易度はかなり高い。TESシリーズよろしく主人公・仲間にはアナーキストカトリック共産党員など個性的な出自が設定されており、色々妄想が膨らんで面白い。

 当時のレジスタンスになりきってナチの圧政や閉塞感を味わってねということなのだろうが、目的がプレイヤーに苦労させることであって、試行錯誤して困難を突破させることではないので1時間で飽きる。憲兵イベントも妨害工作も全部運ゲーだし、苦労してクリアしたとしてもこういうゲームは常に最適解を取ることが求められるのでリプレイ性に乏しい。

 ゲームという媒体で歴史的出来事を伝えるというのは良いアイディアだと思うが、プレイヤーがレジスタンスの難しさを知った結果飽きるというのはどうなんだと思う。システムとかUIとかかなりボードゲームっぽいので素直にボードゲームとして発売すればよかったんじゃないか。プレイヤーが攻略のために農林水産省のHPを見てた「サクナヒメ」はその点よくできたゲームだったと思う。

 ダークな木版画みたいな独特のアートワークは良いと思う。

 

ゴーストオブツシマ:Good

誰からも嫌われないがゆえに不遇の賞レース

 快適にプレイできてすげー楽しかった。でかい市街地など読み込みが多い場所が無いのでFTは爆速・サブクエストの細かい分岐もないのでバグも無し。戦闘はほぼアサクリでとっきやすい。侍ものであること以外他ゲームのいいとこ取りで個性がないといえばないのだが、個人的は「サイバーパンクみたいな規模を広げすぎて九龍砦みたいになったゲームよりも、このくらい小さくまとまってる方が好み。(あくまでAAAの中での比較なのでツシマが小品だということではない)

 あまり触れられることが少ないが、AAAゲームでキャストが全部アジア系というのは本当に画期的なことだと思う。「クレイジーリッチアジアンズ」に並ぶ偉業。メインスタッフは白人男性だが、インタビューや特集を読むと日本の研究者やローカライズチームに細かい部分まで監修して貰ったらしく、プレイしてコレジャナイ感を感じることはなかった。セリフ収録時も日本人アドバイザーをつけて地名・人名などの発音が英語訛りにならないよう指導してもらうという徹底ぶりで、異文化を扱うときのお手本のような作品になっていると思う。(モンゴル人がどう思ってるかまではわからないけど・・・)

 欲を言えばクリアした一騎打ちを自由に遊べるバトルモードが欲しかった。ぜひ続編も作ってほしい

 

ペルソナ4 THEゴールデン:Good

いい加減アトラスはポリコレを学べ

 Steamで配信されたので久々に遊んだ。最新作「ペルソナ5はストーリーのスケールアップに伴い、登場人物がペルソナで戦う理由も死んだ親の仇とか深刻な理由だらけでなんか芸のない感じだったが「4」はそこら辺の設定がうまい。

 そもそもペルソナ能力自体、正義に目覚めし者が超次元空間で発揮する御大層な能力ではない。過去作ではクソを漏らしてペルソナ覚醒する奴や、自分をいじめる人間をペルソナを使って半殺しにしまくってた奴とかいるし・・・「3」以降ディレクターを務める橋野氏は上田・鈴木コンビや岡田・金子(&里見)体制に比べると常識人っぽい感じなので、1から10まで理由付けしたくなってしまうのだろうか。「5」はちょっとそれが過剰で「4」が一番バランスが良かったと思う。「5」があれだけ進化したにも関わらず、未だにシナリオやキャラの魅力は「4」の方が上と評価する人も多いし

 ただ2020年に遊んでみると完二と直斗のストーリー(性別やセクシュアリティの悩み)は食い足りなさを感じるし、完二に対するゲイいじりや女性キャラに対するセクハラなど全然面白くない場面も存在する。残念ながらそういう欠点は「ペルソナ5」にも引き継がれているし、外伝の「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」の海外版では差別的な場面が削除される事態にまでになった。モブのオカマキャラが主人公軍団を襲う場面とか、もう面白いとか面白くないとか以前にひたすら寒い。こういうのみるとポリコレって本当に大事だねって思う。

 アトラスはこうした批判を真摯に受けとめ、次回のペルソナ6ではLGBT朝鮮学校生徒・キラキラネーム・発達障害者・市営団地育ち・創価学会3世・肥満児など多様性のある仲間でPTを組めるようにしてほしい発達障害者は脳みそが変だから変なペルソナ使えるとか、肥満児は力が強いとか・・・